迷えるイカ記

洋楽オルタナティヴロック、イラスト、そのたいろいろなものがたり

やられたかもしれないアンサンブルプレイ--筋肉は裏切らない

群像劇というお題で記事を募集されてるので、ヒャッハーしてみます。

blog.hatena.ne.jp

群像映画。そこそこ思いつくけど私らしい感じの2作品についてちょっと書いてみます。ちなみに、英語圏ではアンサンブルプレイとかアンサンブルキャストとか言うのかな。

クラッシュ (2004年 アメリカ)

 監督    ポール・ハギス

LAのハイウェイで起きた交通事故をきっかけに、さまざまな人種、階層、職業の人々の人生が連鎖反応を起こすヒューマンドラマ。

この映画で象徴的なのが、白人警官が、職務と言い裕福そうな黒人の庶民に嫌がらせするというシーン。

多くの人は、目の前に困っている人がいると、なにか手助けをせずにはいられないという一面と、他人を傷つける事に自分の都合のいい理由をつけて正当化してしまうというどうしようもない性を持ち合わせているという事。この性質は、多分人間が社会的動物である以上逃れられないだろうとは思う。けれども、勇気と理性、慈愛など、様々な人の持つ力で克服していくべきだと強く思う。最後のおちは、その願いが込められているのかな。

クラッシュ (字幕版)

クラッシュ (字幕版)

 

 スナッチ (2000年 英国)

監督 ガイ・リッチー

1個の大粒ダイアモンドを巡って悪くてタフな連中が騒動を巻き起こすポップでスピーディな群像劇。

群像劇は、登場人物が多くて状況把握がちょっと難しい。よく注意してみないと、「これどうなってるの!?」と置いてきぼりをくらうので、息をつく暇もない。そこが良いんだけど。とにかくグルーヴとスピード感があって、映像もスタイリッシュで、ブラピのボクサー姿もカッコいい!筋肉は裏切らない!!!!よく作りこまれていると思う(筋肉も、ストーリーも)。

作中で「パイキー」と言う言葉が出てきます。これはイギリスのスラングで、元々アイルランドの放流者(ジプシー)の事を指す言葉。現代では、社会階層の低い人たちを差別的に指して呼んでいるようです。で、パイキーの若者ミッキー(ブラットピット)のしゃべり方が、すごい訛っているのも、演出の一つでしょう。冒頭にラビ(ユダヤ教の宗教指導者)に扮するブラピ集団が出てきたり、文化背景を知っていると、より深く楽しめます。

 

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 スナッチに出てくるブルテリアちゃんを描いてみました。

ちゃおちゃお