迷えるイカ記

洋楽オルタナティヴロック、イラスト、そのたいろいろなものがたり

眩しい彼女の制服

お題「制服・ユニフォーム」

私の通っていた幼稚園の制服は市内でも可愛いと評判で、アルバムを見直してみると確かに可愛い。バッグやバスケットなど、私には姉がいるので制服も含めお下がりだが、どれも可愛いもので揃えられていた。 社会人になってすぐの夏だったか、その幼稚園付近を歩いてみたくなり、家に向かうバスを途中下車した。幼稚園は道路よりも上の方にあるので、見上げる形になるが、ああ確かこうだったなと懐かしがりながらそばを通り過ぎる。そこから家に向かえば中学の時の通学路になるのでそのまま歩き続けた。通学路には歩行者専用道路もあり、そこをのんびりと歩いていたら、懐かしいあだ名で私を呼ぶ声が聞こえた。声の主は驚く事に小学校の頃の同級生、Hさんだったのだ。私とHさんは再会を喜び「せっかくなのでお茶などしましょう」と意気投合して、近くにある喫茶店に入った。グラスの底に結露で張り付くコースターを剥がしながら飲むアイスコーヒーの向こうでHさんは、就職先で女性では初めての業務に抜擢され、消耗しながらも(笑)活躍している等の話をしてくれた。さすがHさんだなぁと思いながら私は聞いていた。Hさんは、テキパキとして成績も良かったのだ。

小学校4年生ぐらいだったか、薄暗い教室の入り口でHさん以外の仲の良い友達数人が突然私に「Hさんを無視しよう」と話しかけてきた。私はびっくりしたのと同時に意味もきかずに「それは嫌だ」と断り、今まで通りHさんと普通に過ごすことにした。おそらく当日か、翌日だったか、言い出した友達が謝りに来て、それからは何もなかったように元通りに交流していたと思う。Hさんと私は小学校6年生の卒業まで一緒のクラスで仲良くしていたと思う。Hさんとは中学校も一緒だったが、クラスが同じになることはなかったので、特に深く交流することも無くなってしまった。高校は別々だったので、中学校以来の再会だった。中学のある夏の日、Hさんと私が校内で出会う事があった時に、お互いの名前を呼びあい、軽く手をあげ挨拶し、Hさんは一緒にいた友達との会話に戻りながら、私の横を通り過ぎた。夏の光で輝くHさんの制服が少しだけ眩しかった。

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ヒャッハー委員会4月のお題「制服・ユニフォーム」に登校いや投稿しました。きれいにまとめすぎかな?