迷えるイカ記

洋楽オルタナティヴロック、イラスト、そのたいろいろなものがたり

「パラサイト 半地下の家族」を見てきました。[映画]

パラサイト 半地下の家族を見てきました。(ネタバレというか、私自身が人の感想は事前には見ない主義なので、あんまり積極的には奨励しません)

あらすじ

全員失業中で、その日暮らしの生活を送る貧しいキム一家。長男ギウは、ひょんなことからIT企業のCEOである超裕福なパク氏の家へ、家庭教師の面接を受けに行くことになる。そして、兄に続き、妹のギジョンも豪邸に足を踏み入れるが...この相反する2つの家族の出会いは、誰も観たことのない想像を超える悲喜劇へと猛烈に加速していく――。

いわゆる格差社会を描いた映画で、偶然にもこういうエントリーを描いていたが、

うちは元々貧乏だったので

成人式。渋い振袖セットの思い出。 - 迷えるイカ記

私の実家は、労働者階級の父親と中産階級出身のお嬢様である母親が家庭を作っており、この出身格差により、夫婦仲があまりうまくいってなかったと私は推測している。(家は貧しいのにね) 

映画では、貧困家族の住むのは半地下の不衛生な家。裕福な家庭が住むのは高台にある豪邸。貧困層の家からは一般道を見上げるように描かれていて、豪邸は、坂道を登った先に、さらに雛壇になっており、高く聳え立つような印象を受ける。その空間の造りも、二つの家族の階級を表していると思われ、そう言った、「高いところにいて無邪気に振る舞う裕福な家族」と「低く狭いところに居る貧困層の選択の少なさ、窮屈さ」というのが、映像の空間を使って所々に描かれて、それぞれの家庭の家などの作りも家族の格差などを演出する重要なアイテムだと考えられる。二つの家族がなんとなくあの人たちはあっちの世界だから別世界の人だから相手のことを考えてもしょうがないと思っている所から、ある事が、二つの世界を一気に物理的に精神的に接触させる。

金持ち一家は、その「におい」を良くないものとみなしているが、それがどういった境遇の産物かは知らないし、そのせいか、きわめてカジュアルに不快がっている。 私の記憶では、金持ち一家が貧乏一家のメンバーに、面と向かって「におい」が不快だと言い放った場面は無かったように思う。それでも「におい」をめぐる感覚の不一致が、金持ち一家と貧乏一家の間に埋めがたい溝をつくっているように見えてならなかった。

映画『パラサイト』にみる、におい・ハビトゥス・階層 - シロクマの屑籠

 

ところが半地下に住んでいれば「におい」が生活に、身体に染みついてしまうし、自身の「におい」にも敏感になれない。誰かが自分を「におう」と言っているのを耳にした時はじめて、自分自身の「におい」に気付き、それが半地下という住まいに由来していること、もっと言えば貧困に由来していることを自覚させられる。

映画『パラサイト』にみる、におい・ハビトゥス・階層 - シロクマの屑籠

 結局物理的な接触による「臭い」という形で、貧困家族は「我々は、彼らにとって何者であるか」というのをまざまざと突きつけられ、物語は思わぬ展開へと...。

 正直、映画館じゃなくて家で見る事ができるようになったら家でみようかなとか思っていたが、この作品のような、視覚的にも心理を迫ってくるものは、映像作品の醍醐味なので、映画館、大画面で見て良かったなと思わされた。そういう所はすごいなーと思いました。

「自分が何者であるか」と知った貧困家族がどうなるかは是非是非映画館で見てくださいとしかいえない。ネタバレ禁止。

なんだかんだ言ってとにかく、引き込まれるストーリーだったので色々なところを見逃している可能性もあるので、家でももう一回みたいと思う。

まぁ、最初に述べたよう私の両親の間での階級衝突が子供の頃から水面下でこんな感じで行われていたと思うと、切なくもなる映画だ。

 

~お金持ちに寄生する貧困家族。格差社会を照射した飛び切り面白くて怖いポン・ジュノ作品

「パラサイト 半地下の家族」 - 映画貧乏日記

 よく参考にさせていただいてる映画貧乏日記さんのエレガント(貧乏なのに?)な記事も是非!

cinemaking.hatenablog.com

eiga.com

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