迷えるイカ記

プロフィールの倉庫に使ってますが、たまに私の為の好きな洋楽ムージックヴィデオ集という恐ろしい記事を書くかもしれませんので閲覧には注意してください。

「ぼくらのへんたい」ふみふみこ

 ゴールデンウィークに「ぼくらのへんたい」という漫画を10巻Kindle大人買いをして読みふけっていた。
それぞれ異なる事情のもとで女装している10代の少年たちの交流を中心に思春期の少年少女の心情を描いたもの。
少年達はまりかパロウユイというハンドルネームを持ち、3人で女装姿でのオフ会を開く。それをきっかけに始まる交流を通じてそれぞれの「事情」と向き合い思春期を生きていく物語。「へんたい」とはもちろん自分たちが「変態(と世間から認識されている事)」の意味でもあるが、変身(変態)の意味も持つ。ちなみに、スッタニパータと言う最も古い仏教の聖典にある蛇の章は「蛇の毒がひろがるのを薬で制するように、怒りが起こったのを制する修行者は、この世とかの世とをともに捨て去るー蛇が脱皮して旧い皮を捨て去るようなものである」という一文から始まり、人の道を蛇の脱皮に例えて教えを説く。アジアでは蛇は割と神聖な生き物として扱われることがあるのか神社のしめ縄も蛇がモチーフ説もある。

ちょっとネタバレもあるけど、登場人物の紹介を通じて、物語を軽く語っていくよ

まりか(青木 裕太)

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幼いころから自分は女性だと思いながら生き、少女らしいしぐさや言葉使いをしている。まりかはいわゆる性同一性障害と思われる。オフ会で出会ったパウロに憧れ恋をする。彼ら、彼女らとの交流で、支えられ気付き、「わたしは女なのです」と医療機関を受診し女性になる道を進む。

パロウ(田村 修)

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好きな男性が女性が好きだと理由で、女装をしている。パウロは同性愛で女装はするが、特殊性志向を持っているのは、まりかのような「性自認と自分の身体の性機能の不一致」ではなく、幼いころに遊んでいた近所のお兄さんに性的暴行を受けたからだと考えられる。「女装はセックスのコスプレ」だそう。

ユイ(木島 亮介)

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姉の身代わりとして、女装をしている。姉のユイが死んだことによって母親が精神を病み、姉の死を受け入れられない母親の為に家の中で姉のユイ(女装)を演じている。学校では普通の男子学生として生活しており、オフ会で知り合ったまりかと校内で出会った時には自分の「本当の」居場所を無くすことを恐れ「絶対言うなよ」と乱暴に脅す。その後はそれぞれの抱えている問題に共感し、打ち解けていくうちに彼ら、彼女らの頼もしい友になる。

 

夏目智(ともち)
まりかの同級生で、男性でありながら、セーラー服で学校で通う。いわゆる男の娘。恋愛対象は両性ともで、まりかに「君が男が好きなら僕は男(性の姿)でいる。女の子になりたい君が好きなんだ。」と告白し、その後はまりかを強く明るく支える存在になる。

 

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仏典で蛇が使われるのは蛇が脱皮するからだと言われている。旧い物を捨てて新しい物を再生する所に生命力や神秘を感じたのかもしれない。人はと言うと幼児期などにある程度成長期はあるものの、10代に大きく身体も精神も成長する。子供から大人へ続く橋をわたるのだ。心と思考や、体の変化、この頃は単純なような生活に見えても外からの刺激、頭の中で巡るモヤモヤは色々ありすぎて、許容量が足りずに大人に社会にがむしゃらに爆発したくなる時期なのかもしれない。私は割と早く心が解脱的なあきらめを覚えてしまったので、そこはあんまりなかった方かなとは思う。でも、だからか、小さなころから周りの理不尽さや大人の「いい子は問題がない」という怠慢な見過ごしにより、「ぼくら」が大きな問題を抱えながら頼れる大人も少ない中でお互い支えながらひっそりと早足で大人になっていく様子を自分と重ね合わせみると、急ぎ過ぎた故に埋められなかった部分が実態を持って虚を産む。

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ばいちゃ