迷えるイカ記

洋楽オルタナティヴロック、イラスト、そのたいろいろなものがたり

ジェネレーションX世代の自由

33man.jp

 

スネイルランプという日本のバンドが日本で開催された夏フェスに出演した時、食事のサービスがイベント主催側からあり、その会場にバンドのメンバータケムラ氏が行くと、 会場は、出演者用とスタッフ用とに別けられており、それぞれサービスの内容も違っていた。タケムラ氏は日本人だという事で、出演者用の会場への入場は制止され、スタッフ側での食事を指定されたと。理由を聞くと「海外バンドのメンバーに“日本人とは食事エリアを別にしてくれ”と言われた」とのことで、 人種差別じゃないかと、主催者側に抗議をして、最終的には出演者用の食事スペースは日本人にも開放されたとのこと。

これ2000年ごろの話で、主要フェスが始まってから数年目といったところ。海外アーティストも出演する夏フェスだと、当時海外勢が優遇されてたと言われても、驚きもしないし、 Dragon Ashのメンバーもこの頃同じ様に日本人出演者と言うことで、優遇から外れたと言う話題もリアルタイムで見ていたと思う。

当時も「夏フェスは海外アーティストが主役なので、優遇されないのは当たり前だろ」みたいな声もちらほら上がっていた。

どう言う意見が社会の空気を作っていたかと言うのは、これだけではわからないけど。 こう言う事に抗議するのは、本当に凄い労力がいるし、失うものもあったりするので、一ロックファンとしては、声を上げてくれてありがとうとしか言いようがない。 多くの人は、迎合したり、黙ってこう言った組織から距離を置き関わらないようにするだけだ。

場の空気というのは、そうやって作られていく。

 

これを見て思い出すのはアメリカのシンガーソングライター、レニークラヴィッツに関して、本人とファンの属性の話。

これも、90年代後半ぐらいに雑誌とかで読んだ内容だけど、アメリカでロックのコンサートに聞きに来るファンは、白人系のファンが多くて、一方、マイケルジャクソンだと有色人種の割合も高いとか言うことが書いてあり、で、レニークラヴィッツのライブに来ている人は、有色人種(アフリカ系)の割合が、他のロックコンサートよりも多いとか、そう言うことが書いてあった。海外のライブは行ったこともないので、本当にそうなのかはわからないけど、白人ラッパーのエミネムも、黒人系の一部の人たちからは、白人がラップをするなんてけしからんみたいな事は言われたと言うのも耳にするので、音楽のファンを始め、奏者や取り巻く環境っていうのは、階級や人種の壁っていうのがあるのだろうなとは思っている。(2000年前後の、20年も前の話なので、今はどうなのかは知りませんが。)

ちなみにレニークラヴィッツは、母親がバハマ系で、父親がユダヤ系だとプロフィールに書いてあります。一般的な呼び方をするならミックスドと言う呼び方をするんだろうけど。

元記事にも、自由とかを表現するはずのロックが差別をっていうのがあるけど、私はどうしても、ロックだから、音楽だから差別があったというのを考えてしまいます。

そして、女性はロックカルチャーでは一部のロックファンからは差別にあってきてました。ロックは男性のものだという事で女性を排除しようと思っている人間はいるのです。最近でもあっているという事は聞きます。悲しい事ですが。

そういった意味でも、20年、世界は相変わらずなところもあるけど、人権に関しては、いろんなところで尊重される様になったとは思います。だからこそ、今この話を発表されたのかもしれませんね。

私たちは、いろいろな属性、例えば「女性だから●●であるべき」みたいな事から昔よりもより自由になり解放されてきました。

で、自由っていうのは安定、安心とトレードオフと言われていて。自由になったら、よくわからない物事との接触が増え、自分が何者かというのも深く考える様になって、不安を感じるという。

 

差別は良くないという思いとは別に、自分は差別なんて一切しない、してないだろうなんていうのは、思ってません。人は弱いからね。ただ、自由っていうのは、不安定さとの戦いなんだなみたいなのは、大人になってからはやっぱり感じますし、

その事を教えてくれたのは、多くは音楽だったなというのはなんとなくあります。

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レニークラヴィッツをPVを参考に透明水彩で描いてみました。

めっちゃかっこいいんだよ!


Lenny Kravitz - Are You Gonna Go My Way (Official Music Video)

ロケンロー